to the Living Room [自分の作品考察]

to the Living Room:





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1998年9月5日〜1999年1月31日
ワタリウム美術館の展示は壮絶だった。
どんな展示だったか?

5ヶ月間!
ワタリウム美術館とは別の場所に住みながら展示する。





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美術館の中には、一つも作品はない。
希望者のみ、入り口で地図の付いた鍵を渡される。
そこから歩いて5、6分のアパート。
鑑賞者は迷いながらも、探し出す。
そして、私が出迎える。

毎日毎日人が押し寄せる、当然だ、そういう展示だから。
来客中でも、腹が減ったら、ご飯食べる。
好きなテレビ番組は、逃さない。
寝てることは無かったけど。
来客に見せる作品は新聞紙。
何度も踏まれる作品。
なぜ新聞紙?」
一日に何度も繰り返される同じ質問。





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しょうがない。
会話の始まりはこんなものだ。
私がいれば、話すしかない。
あまりに、疲れているから、
毎日いなくていいよ。」と、言われたけど。
いないと、日常じゃない気がした。

作品の誹謗中傷。
これのどこが、アートなの?
パフォーマー?
そんな作品で革命が起きるか!
部屋を公開してるから、全部作品にみえるのか。
このタンスは作品?
このカップ麺は?
あなたは?

作品見ないで、話しにくるだけの人とか、
作家にあって、ぼろくそ言うのが趣味みたいな、
自分で「壊し家」って言ってる人。
凄いことに、あれだけ言われた悪口を思い出せない。

最終的に、鑑賞者が「バイトの人?」と思うくらいに、
機械的に動き、他ごとをし。
質問には適当に答えた。
鑑賞者は、本当の答えを求めてるのではない。
会話のきっかけであり、
嘘でも納得できれば良いのだ。
立場が変われば、私だってそうだから。
たまに、プロ(美術関係者)が混ざってるのが、厄介なんだけど。

後に、人の意見は聞かない。
聞くけど聞いてない。
聞いて必要な所は回収。
になってゆく。

最終的に、ノイローゼ。
一日が終わると、カレンダーを黒く塗り、
青山から渋谷まで、音楽フルボルームで徘徊。
とにかく、カレンダーが真っ黒になる日を夢見た。
やりきることだけを考えた。

この展覧会は修行だった。
この後、廃人か作家に成るかの洗礼。
ま、打たれ強くは成った。

後から聞いた話では、
5000人はアパートに遊びにきたみたい。





共通テーマ:アート

有馬かおる

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