だらけ人生の幕開け。 [日記]




前歯のせいで、一生が狂った。

小学生の私は不潔だった。
髪は月に一回、床屋さんで洗う事だったし、
歯なんて磨いた記憶が無い。
年に一回、学校の診断書をもって歯医者に行けばいい。と、思ってた。

そして、その時が来た。
歯医者が前歯の虫歯を治療し忘れた。
母親が、治療費が思ったより安かったと、
靴を買ってくれた。

カガミを見る習慣がないから、気づかない。
そのうち、激痛。
同じ歯医者に行ったら、なぜもっと早く、
来なかったのかと叱られた。

それは始まりっだった。
12歳で、前歯が一本差し歯に成った。
さすがにショックを受け、歯を磨くようになる。

16歳の時、差し歯からばい菌が入り、歯肉炎になる。
慢性になり、医者が気づいたときは、膿みが歯を溶かし、
ソコが病巣に成っていた。

私の周りに8人ぐらい来ての大手術。
歯茎をめくり、歯の根っこを、ノミと木槌で削り取る。

カンカンとんとん。
カンカンとんとん。

麻酔を何本も打ったが、利かなくて、最後には「我慢しろ!」。
看護婦はみんな泣き始めるしまつ。
当然私の目からは涙が止まらない。

強烈な痛みがリズムのように体に入ってくると、体に変化が起こる。
痛みを欲しがるのだ。医者が休憩?か何かで、手を休めると、
木槌のリズムで体が反応する。さあ来い、どんどん来いと体が叫ぶ。
脳の中で+ーゼロみたいな事してるんだろうか。

人生であれほどの痛みを、今の所、味わってない。
しかし、病巣全摘出はできなかった。
それすると、歯が抜ける、と。

20歳、この間も、定期的に膿みは貯まっていた。
とくに、徹夜。
一晩で次の日激痛。
歯医者通勤3ヶ月の3万出費。

この頃、この土台は30歳までもたないね。」と言われる。
恐怖のあまり、しばらく歯抜けの夢を何度も見る。

徹夜禁止。疲れる事禁止。
仕事も遊びもだ。


これが、だらけ人生の幕開けでもある。






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有馬かおる

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